京都旅日記
今年も願成寺の苦労消除祭に行ってきました。願成寺は東福寺の塔頭のひとつで願成禅寺ともいう。11月3日はお祀りしてある阿保親王堂のご開帳の日。この親王堂の中に多田祐子の作品“あした会いましょここで”50号が、ありがたくも飾られている。護摩札のお焚き上げのあと火渡りも行い、一年間の“芸術上達”や家内安全を祈念して一つ苦労もお預け、まぁもろもろのことを阿保さまに交信してまいりました。今回は、西京区の大原野辺りに参りまして、阿保親王、伊都(登)内親王、在原業平の親子お三人さまが並んで眠る五輪塔の在る竹やぶを探して、無事お参りを果たしました。張られてあった結界は、畑仕事をしていたお婆さんに“おかあはん、業平はんにお参りをしたいのですが” と声を掛けることで解決。このおばあさんにお参りの後お礼の言葉をと思って畑に行ってみると最早姿なし。朝露と草ジラミが靴やパンツにいっぱいの小径を歩きました。この後、大原野神社に参り、桓武天皇ゆかりのひと日でした。業平はんは、桓武天皇のひ孫。阿保さんは孫。桓武天皇の皇子、阿保さんの御親、平城天皇陵は奈良にあって未だ参拝かなわずですが。
旅のつれづれを下記します。詠みしまま:推敲はこれからします。おかしいところはお教え下さい。
大原野にて
佇みて 業平はんも西行も行き交はしたりと思ふ この径
草草をとり払ふとき はつかにもこころかよふと 不敏(おろか)にも思ふ
五輪塔並べたもふて今に至る 語りはなぁに 竹笹の里
願成寺
青鷺は知らずやけふのこの祭り にぎはふ庭に一日たたずむ
にぎはひの庭の一隅静かさのひときわみえて あおさぎはゐる
上賀茂神社
さにつらふ紅葉愛でつつ連れ立ちて 上賀茂参りことしも無事に
貴子さま
秋陽や 宝ヶ池にピクニック愛情むすび かたじけなくて
かへるとて心名残りの手づからの夕餉も さらに頂戴すなり
澄める月 永観堂に仰ぎ見つ 帰路の事無き 祈りくるるひと
七日月澄みてかかれり若王子 いとまいふ折 ひときはひかる
本日は以上10首